感覚統合をベースとした療育とは…

感覚調整機能の発達を促すアプローチです

感覚調整機能?
どんな影響があるの?

前庭感覚
前庭感覚とは、頭の傾きや回転、速度の変化を知るための感覚です。前庭感覚が過敏な子は、不安定な足場や高いところ、急なスピードなどに恐怖を感じることがあります。ですから、公園にあるような大型遊具を楽しめなかったり、体操のような活動が苦手だったりすることがあります。
固有受容感覚/触覚
固有受容感覚は、筋肉や関節からの感覚で、どのくらい力を入れているか?関節はどのくらい曲がっているか?などのボディイメージを知る感覚です。触覚は、手触りや硬さ、からだへの圧力を知る感覚で、行為調整に必要な感覚です。固有需要覚や触覚を感じにくい子は、物の扱いが乱暴に見えたり、刺激的な遊びを好んだり、まねっこが苦手だったりします。
触覚
触覚は、自分を認識するためにも大事な感覚です。触覚が過敏な子は、予期せず触られることに過敏に反応することがあり、不意に人が近づくと極端に嫌がったり、整列や集まることが苦手だったりします。
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こうした感覚の傾向性は、生活に不便さを感じることも多く、参加できる活動が制限されたり、意図せず人に不快な思いをさせて交友関係がギクシャクしてしまったりといった困りごととなって現れます。それは結果として、心身の成長・発達に必要な体験の機会を逃してしまうことにもつながるのです。

感覚統合をベースとした療育は、

 先の例のように、感覚調整がうまくいかないことが行動に影響することがあるため、どのような感覚処理の傾向があるのかを個別にアセスメントすることが大切となります。そして療育の「はじめの一歩」は、その子の行動を制限する原因となっている感覚の凸凹(過敏さや鈍感さ)の軽減をねらいとします。

前庭覚、固有需要覚、触覚

 行動制限の原因となりやすい固有受容感覚や前庭感覚、触覚に焦点を当て、それらの感覚を段階的に経験することで、感覚調整機能の発達促進(感覚育て)を図ります。この過程は、「感覚・運動あそび」によって進められます。「あそび」ですから、本人は楽しい時間を過ごしながら、無理なく「感覚育て」ができるのです。

こうして行動を制限する原因から少しずつ解放されることで、徐々に、これまで敬遠していた活動に取り組めるようになります。このとき、タイミングを逃さず調整された(ちょっと頑張ればできる)課題を提示することで「できた」体験へつながり、この体験が自己効力感へとつながり、「やってみよう」という次の興味や関心につながるのです。これは、本来どの子も持っている自分を育てる力です。
 このように、感覚育ては、体験し、学ぶ機会を得るための土台となる力、物事やからだの使い方が「わかる」「できる」ための準備の状態を整えること、つまり「自分を育てる力」を育むことだと言うことができます。

感覚統合をベースにした療育とは、本人が本来持っている「育つ力」を信じ、こどもと共に伴走する療育なのです。